「1日何時間・週に何回やればいいですか?」-数値目標の落とし穴

あなたは、勉強するときに「学習時間」を気にしていますか?

あるいは、「週に何回・何日」という日数や回数を気にして勉強していますか?

何ごとも目標を明確にして行動することはきちんとした成果を得るためには重要です。
だから、勉強においても、テストの点や成績などをはじめ、具体的な数値目標をしっかり決めることは重要です。

ただし、この「数字」というのはきちんと運用できないと実は少々厄介なものなんですね。

もしあなたが「1日何時間・週に何回やればいいの?」という疑問を抱いたり、先生に質問をしたことがあるというのであれば、「勉強しているのに成績があがらない」という負のスパイラルにはまってしまっているかもしれません。

今回はそんな数値目標の危険性、あるいは「落とし穴」について話題にしてみたいと思います。

数字を追いかけるだけでは数字はついてこない!

■目標を立てていますか?

あなたは何か勉強する際に、きちんと目標を決めているでしょうか。

「次は○○点をとる!」

とか、

「次は○○位をとる!」

とか。

すでに目標を設定する大切さについてはこのサイトでも記事を投稿しています。

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中高生などは定期テストのあと、学校や塾でテストの振返りをして、
次回の目標点等を書き記したことがあるのではないでしょうか。

これは記事にも書いた通りたいへん重要な作業です。

ただし、多くの人は、2~3か月後の次のテストのときには、その目標を忘れています。

そもそもその目標を達成するために必要な行動がとれていません。

それでは目標を立てた意味がまったくありません。

数字は所詮数字でしかないのです。

もちろん、はっきりとわかりやすい指標なので、目標としては使いやすいものです。

ただし、それは使う側がしっかりとした考え方を持っていれば、という条件付きなのです。

■仕事でも同じ。目標を立てる本当の意味とは?

これは多くのビジネスマンにも同じようなことが言えるのではないでしょうか。

多くの仕事の場では必ずといってよいほど、数値目標、数値管理があります。

売り上げや納期など、多くのものは数値で管理しています。

しかし、数値目標があったからといって、数値で管理しているからといって、必ずしも良い成績(数字)が出てくるわけではありません。

数字は形だけの目標になっている場合も少なくないのです。

このよくある現象と勉強はまったく同じ構造をしていると言ってもよいでしょう。

数値を運用する側がきちんとその意味を理解していなければ数字はただの数字でしかありません。

「100点とるぞ!」

と目標を立てても、これまでと同じような勉強しかしていなければ、結局は同じような点数に落ち着くのです。

仕事でも同じ。

上から与えられた数字があるだけで、行動が伴っていなければ、目標達成できるはずがありません。

すでに過去の記事でも記していますが、肝心なのは

行動を変えること
成果を出すための行動をすること

なのです。

そのためのきっかけとして数値がうまく使えないのであれば、へたに数値目標を立てても何の意味もないどころか、邪魔なだけです。

その最たる例がこの記事のメインテーマである「勉強時間」「勉強の日数・回数」といえます。

もし、あなたが学校の先生や塾の先生に

「どのくらい勉強すればいいの?」
「週に何回くらいやればいいの?」

という質問をしたことがあるのであれば、よく注目して頂きたいと思います。

勉強時間(1日○時間・週に○回)はどのくらい必要?

■勉強時間(1日○○時間・週に○○回)の正解とは?

塾に通う場合は、多くの場合「教科」やそれに応じた「週回数」を決めるでしょう。
学校でも各教科の「時間割」や「授業日数(時間数)」が決められています。

だから多くの人は勉強をする際に「1日何時間」とか「週に何回」ということをセットにして考えがちです。成果を出すにはどのくらいの「量」やれば良いのか、やっぱり気になるでしょう。

もちろん指導者側からすれば、目安となる時間やこれくらいはやっておいてほしいなという希望はあります。

ただし、

「1日何時間勉強すればいいですか?」

という質問に対するより正確な答えは、

「わからない」

なのです。

「え?」

と思いましたか?

でも、正確にいうのではあれば「わからない」のです。

考えみて下さい。

質問した人の目標・目的は何なのでしょうか?
その目標に対する現状(ギャップ)はどのくらいなのでしょうか?
いま現在どのくらい勉強しているのでしょうか?
どんな勉強をしてどのくらいの成果が出ているのでしょうか?
 ・
 ・
 ・

そうした条件がわかってはじめて次の行動が具体化できます。

それがはっきりしていないのであれば、「わからない」というのが正しい答えなのです。

だから、何となく成績が良くなくて、成績を上げたい人は、まずは現状と目標を明確にしてみましょう。

それによって目標を達成するために必要な行動がはっきりするからです。

ここから始めなければせっかく勉強しても思ったように成績があがらないということになってしまいます。

一生懸命にがんばっているのに、成果が全然でなければ、どんなにメンタルが強い人だってだんだんやる気をなくしてしまうものです。

もちろん成績がなかなかふるっていないという人は、勉強量(時間や回数)が圧倒的に不足している場合が多いです。

しかし、なかにはそれなりの時間を勉強に費やしているのに点数や成績に現われていない
という人もけっこうな人数いるのです。

前者と後者ではとるべき行動がまったく違います。

その行動を実践する量(時間や回数)だって異なってくるでしょう。

■回数を意識し過ぎた訓練は意味がない!?

それなのに多くの人は時間や回数などの数字にやたらとこだわります。

それは学校や塾の先生など指導者側にも同じことがいえます。

よく話題にしますが、

「漢字や英単語などをノートに○○回書いてくる」

というような宿題などはその最たる例でしょう。

もちろん新しい知識を、それも日常的に接する機会が少ない教科の学習内容を記憶するには、
やはり「回数」が重要です。何度も何度も自分が覚えるまでやり続ける必要があります。

いや、正確には覚えるというよりは使える(記憶から取り出すことができる)ようになるまで練習する必要があります。

これはスポーツなどを例に考えてみるとわかりやすいと思います。

何度も何度も基礎トレーニングをくり返して、無意識に正しい動作ができるようになるまで訓練をします。

しかし、その回数に絶対正しい正解があるのでしょうか。

こればかりは人によって違うとしか言いようがありません。

ある人は3回でクリアできるかもしれないし、10回やらなければできない人もいるでしょう。

記憶する内容やそれに興味を持てる・持てないなどの問題も大きく関わります。

だから、何回やればいいか、何時間やればいいかというのは、わかりやすい目標ではありますが、成果を出すために適切な目標でない場合もあるのです。

何度も言いますが、肝心なのは自分の行動を変えることで、成果を効果的・効率的に出すことが一番の目的です。

筋トレなどでも同じことがいえます。

たとえば、筋トレなどのメニューで、
「腕立て○○回」「腹筋○○回」
というものを見聞きしたことがあると思います。

たしかに数字があると行動の目安になって、スタートとゴールがはっきりします。

しかし、この回数ばかりに気をとられてしまうと、たとえば、次のようなデメリットがあります。

「15回やった方が良い人が10回で終えてしまう」
「回数を達成することが目的になり正しいフォームでトレーニングができていない」

などです。

これではたとえ目標の回数をこなしていても、肝心の筋トレの効果は十分に得られません。

だから、くり返しになりますが、成果を出すことが最終的な目的で、そのために効果的・効率的な行動をすることが重要なのです。

回数を達成することにコミットしても、得られるものは実は少ない場合が多いのです。

一番大事なこと。
本当の目的を忘れてはいけないのです。

「1日〇時間・〇ページ」勉強の危険性

スポーツや筋トレを例に、「1日〇〇時間・週に○○回」という数値目標は人によって異なるということがおわかり頂けたと思います。

これは勉強でもまったく同じことがいえます。

まずは自分の目標をはっきりとさせ、現状と比べ、必要なだけの時間数を割り出すことからはじめなければ、自分(の成長)にとって正しい勉強法とはいえません。

かりに目安となる勉強時間・勉強回数があって、それを正しく実行している人がいるとしましょう。たとえば、1日2時間、週に3日は勉強時間を確保しているとしましょう。

学校や塾以外、宿題以外にあまり勉強をしていない人からすれば立派です。

ただし、もしその人の課題を克服するにはあと1時間必要であったとしたらどうでしょうか。

目標をしている点数や成績をとるためにどうしても克服しなければならない課題がこの勉強量では克服できていないのだとしたら、どうでしょうか。

そうです。

ほとんど家で勉強していない人からすれば十分にやっていると思われる勉強量でも、本人にとっては決して十分ではないのです。

しかも、これだけやっていれば、自分も周囲も十分に「勉強している」という認識になるでしょう。当然、結果もついてくると思ってテストなどにのぞむはずです。

しかし、結果は思ったようには出せないでしょう。

その理由はかんたんです。

時間・回数は確保できていても、自分の課題を克服するための勉強ができていないからです。

そうです。

数字にはこういう魔力もあるのです。

1日2時間も学校や塾以外で自分で勉強しているのは、一般的に見れば優秀でしょう。本人も自分が決めた2時間という勉強時間をきちんと守っています。

しかし、だからこそ、「時間が来れば終わり」という行動になってしまうのです。

もちろん時間は有限ですし、勉強だけをしていればいいわけでもありません。だから、毎日毎日時間を気にせず勉強するというのは難しいかもしれません。

ただし、単に時間だけで勉強を管理していると、あともう少しやれば克服できるかもしれないことを時間によって強制的に終了させてしまう、ということにもなりかねません。

先の例でいえば、たとえば残り5分位になったときに、少々込み入った課題があった場合、どんな行動を取るでしょうか。

「(もう2時間ちかく勉強したのだから)次にしよう

という判断をする口実を与えてしまわないでしょうか。

もちろん他にやることもあるなかで、学校や塾にも行っているのに、2時間も勉強に時間を取るのは立派です。

ただし、たとえ2時間勉強していたとしても、乗り越えるべき課題の克服ができていないのであれば、成長していないことになり、その人にとっては不十分な勉強だと言わざるを得ないのです。

数字には、こうした変な満足感や達成感だけを与えてしまい、行動を狂わせてしまう作用もあるのです。

そのことは十分に認識しておく必要があります。

だから、もし、あなたが「1日○○時間の勉強」とか「ノートに○○回書いてくる宿題」
違和感を感じずに、ある意味で素直に従ってしまっているとしたら、その考え方自体がテストの点や成績を上げるための行動を取りにくくさせている一番の原因なのかもしれません。

ぜひ、いま一度、そうした勉強のとらえ方、勉強への向き合い方・考え方をふり返ってみてください。

「何となくそういうもの」

「自分がそうしてきたもの」

「みんながそうしているもの」

という「常識」のようなものによって、

肝心なことが見えなくなっているかもしれません。

【今回の教訓】

数字は数字でしかない!
数字を負うだけでは数字はついてこない!
肝心なのは自分の行動を変えること!
本当の目的を見失うな!

(文責:学習塾ラーニング・ラボ 関口貴之)

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